肺がん局所の免疫微小環境を解析するため、がん性胸水検体を用いて、腫瘍局所浸潤免疫担当細胞、腫瘍細胞の解析をフローサイトメトリー法で行った。2011年1月から2017年3月まで、当院で研究同意を取得した癌性胸水症例45例について、胸水保存検体を用いて後ろ向き解析を実施した。癌性胸水中では、メモリーCD4 T細胞、CTLA-4陽性Treg細胞が多く集積し、腫瘍細胞、マクロファージにおけるPD-L1発現が高く、T細胞の分裂能は抑制されていた。これらの強い免疫抑制環境が免疫療法の効果や予後不良に影響していると考えられ、免疫抑制環境を解除する治療の開発が望まれる。
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