TGF-βシグナルを伝達するSmad2とSmad3のリンカー領域リン酸化による非古典的シグナル伝達経路が、乳癌の化学療法抵抗性誘導する作用機序を明らかにした。 エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2に変異を有する乳癌においては、炎症性サイトカインがキナーゼを介してSmad2リンカー領域をリン酸化して抗癌剤抵抗性を誘導することを発見し、リンカー領域リン酸化Smad2標的遺伝子を各種Smad2変異体移入乳癌細胞株を用いたRNAシーケンシングによって同定した。 一方、上記受容体に変異が無い乳癌においては、リンカー領域リン酸化Smad3が上皮間葉転換と抗癌剤抵抗性を誘導することを発見した。
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