研究課題
若手研究
抗癌薬物治療中の泌尿器癌患者を対象に投与前後での疲労感を評価したところ投与後に有意に疲労感は増大していることが明ら明らかとなった。一般的に日常診療で用いている、血液一般・生化学検査及びサイトカイン測定では明らかな疲労感を客観的に評価する指標は認めなかったが、網羅的代謝物測定により関連を示唆する代謝物を見出した。これらの代謝物の一部は非癌性疲労とも関連がある尿素回路に含まれるものであり、抗癌薬物治療に関連する疲労感も、非癌性疲労とも共通する系が存在している可能性が考えられた。
泌尿器癌
抗癌薬物治療中の疲労感に関して一般的に診療で用いる血液一般・生化学検査及びサイトカイン測定では明らかな疲労感を客観的に評価できる指標は認めなかった。しかし網羅的代謝物測定を行うことで、非癌性疲労の際に変動する代謝物と共通する代謝物を抗癌薬物治療中の患者においても認めた。こうした知見により今後抗癌薬物治療に関連する疲労感に関しても非癌性疲労での知見を応用することで客観的に評価可能な指標および新たな治療戦略へ繋がる可能性がある。