TFTD(ロンサーフ:TAS-102)の進行再発大腸癌に対する効果発現機序の解明を目指した。当教室で発見したFTDの特異的抗体を用いた免疫組織化学染色にて、末梢血単核球内以外にも、癌組織(肝転移巣、リンパ節転移巣、腹膜播種巣)の核内にFTDを同定できた。腹膜播種マウスを用いた検討において、FTDの癌組織内での薬物動態を解析できた。これらの結果よりFTDが骨髄細胞(非癌組織)よりも癌組織において長期にとどまることが示唆され、血液毒性と抗腫瘍効果に関わる薬物動態についての新知見となった。以上の結果を国際英文誌(Cancer Chemotherapy and Pharmacology)に報告した。
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