我々は以前、IDH変異型星細胞腫の中に19q欠失のみを有するサブグループが存在し、他の星細胞腫に比べて予後良好であることを報告したが、そのメカニズムを解明するべく、19q-lossと19q-intactの星細胞腫の遺伝子発現パターンを、マイクロアレイ解析にて比較した。その結果、幹細胞の維持やグリオーマの進行に関連する複数の遺伝子が発現低下していた。19q-loss星細胞腫の発現パターンは、星細胞腫内でサブグループを構成していた。以上より、星細胞腫における19q欠失は後天的に獲得され、その生物学的特徴は、幹細胞の維持やグリオーマの進行に関連する遺伝子の発現変化に関連していることが示唆された。
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