本研究では、免疫チェックポイント分子PD-L1の安定化因子であるCMTM6を介した肉腫細胞の転移メカニズムの解明を目的としている。CMTM6濃縮画分とエクソソーム濃縮画分のsmall RNAシークエンス解析の結果、多くのmiRNAがCMTM6濃縮画分に局在することがわかった。これらの結果から、肉腫細胞はCMTM6を搭載した細胞外小胞にmiRNA等を内包して分泌し、腫瘍微小環境の制御を介して転移を誘導していると考えられる。また、希少がんの患者由来がんモデルは一般には入手しがたいが、この本モデルを用いて転移のメカニズムを検証していくことは希少がんのみならず通常のがんへも波及すると考えている。
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