研究課題
A. SBMAモデルマウスにおける化合物Xの効果我々はSBMAマウスモデルを用いて網羅的シグナル解析を行い、SBMAの病態においてSrcのリン酸化上昇が重要であることを見出した。そこで昨年度は新規Src阻害薬である化合物Xの効果をSBMAマウスモデルを用いて明らかにした。またSBMAにおいてSrcのリン酸化が上昇する機序としてARとSrcの直接的な結合が重要であることを示した。今年度はSBMA患者における患者剖検組織(脊髄・骨格筋)を用いて免疫組織化学の手法によりSrcシグナルの変化を検証した。SBMA患者の運動ニューロンと骨格筋においてコントロールと比較してリン酸化Srcの上昇をみとめた。またSBMA患者の骨格筋生検組織においてもSrcの活性化が明らかとなり、SBMAの発症初期からSrcシグナルが活性化していると考えられた。さらにSBMA患者より樹立したiPS細胞由来運動ニューロンおよび変異ARを一過性強制発現させたヒト骨格筋細胞におけるSrcリン酸化の評価を行った。これらはいずれもコントロールと比較してSBMAモデルでSrcリン酸化の上昇をみとめ、SBMAマウスモデルより得た知見と同様であった。B. 運動ニューロン-後根神経節ネットワーク変性の解析CAGリピートが97個に延長したヒトARをloxP配列で挟み、C末端にNanolucルシフェラーゼ配列をもつ全長約4.5kbpの人工遺伝子を合成し、マウス受精卵へのインジェクションを行った。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
Nature Communications
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