死前喘鳴を呈した196名を解析対象とした。1) 全症例での検討では、抗コリン薬(ハイスコ、ブスコパン)使用の有無と喘鳴の強さの間に有意な差を認めなかった。2) T0(投与開始前)でBackの尺度が2以上の患者を対象とすると、12時間後ならびに20時間後に抗コリン薬の使用により喘鳴の強さは有意に軽減した。抗コリン薬の種類、投与方法(単回投与or持続投与)による差を認めなかった。 死前喘鳴に対する抗コリン薬投与に関しては、喘鳴の強さをもとに判断することで有意な改善効果を得ることが可能となる。今後、介入研究をデザインし、投与薬剤、投与方法による死前喘鳴への治療効果の差異を明らかにすることが求められる。
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