研究課題
若手研究
「睡眠の質の低下」はアルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとする神経変性疾患においてしばしば出現する症状である。この「睡眠の質の低下」は従来、睡眠―覚醒や概日リズムを制御する脳部位に神経変性が波及したために出現すると考えられてきた。一方われわれは「睡眠の質の低下が神経変性を増悪させる」という従来とは逆の仮説にもとづき研究を進めてきた。本研究を通じて「睡眠の質」がパーキンソン病の病態に寄与する非遺伝要因であり新規治療標的の候補である可能性を見出した。
脳神経内科学、病態神経科学
アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患は社会の高齢化に伴い患者数が増加しているが、発症や進行を抑制しうる根本的治療法が存在せず、さらなる病態解明と治療法開発は喫緊の課題である。本研究では従来の理解とは逆に「睡眠の質の低下」がパーキンソン病の病態を修飾する機構に着目した。このような新たな視点からの研究を通じて、睡眠の質の向上により神経変性疾患の発症と進展を抑止しうる画期的な治療法の開発へとつながることが期待される。