いわゆる治療抵抗性統合失調症に対し、抗精神病薬クロザピンの有効性は広く知られている。しかしクロザピンの投与初期には顆粒球減少、流涎、発熱などの副作用が出現しやすく、副作用によるクロザピン治療の中断リスクの高さは臨床上の極めて大きな障害となっている。事前にこの出現リスクを評価することができればクロザピン初回導入時や中止後の再投与の安全性は大幅に向上し、治療抵抗性統合失調症患者にとっての大きな利益に繋がる。 当研究により、clozapine投与前に採取した血清のNMR信号の解析を通して、症例ごとのclozapine投与後の発熱および肝障害出現リスクの評価が行える可能性が示された。
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