IGF2BP3発現は膵癌、肺癌、腎癌、肝癌、乳癌、卵巣癌で進行度と予後不良に関わる因子であると報告されている。我々はこれまで、食道扁平上皮癌においてIGFBP3発現は放射線感受性因子であることを報告している。今回の研究で組織マイクロアレイを用い、食道扁平上皮癌IGF2BP3発現を解析した。手術単独群でIGF2BP3の発現は予後不良因子であった。また、IGF2BP3高発現症例では術後補助療法を行うことが良好な予後と関連することが示された。食道扁平上皮癌においてIGF2BP3発現は予後不良予測因子であることに加え、術後補助療法の適応に際し重要なマーカーであることが示唆された。
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