研究課題
若手研究
これまでの研究において、経皮的炭酸ガス療法による治療効果が高いことが判明しているマウス骨肉腫細胞株(LM8)を皮下に移植したヌードマウスを炭酸ガス療法群と対照群(空気投与)にわけ、18F-FMISO PETを用いて腫瘍内の低酸素状態を評価した。SUV最大画素値(SUVmax)、腫瘍対肝臓比(TLR)、代謝腫瘍体積(MTV)、総腫瘍代謝量(TLG)を用いた定量的評価で、炭酸ガス療法群において対照群より有意に腫瘍内の低酸素状態が改善していることを生体画像にて確認できた。
放射線医学
炭酸ガス療法の抗腫瘍効果および化学療法、放射線治療の増感作用を立証されてきたが、低酸素改善については病理組織学的な検証しかなされておらず、治療の臨床応用や本体解明において、画像診断などの生体検査による評価が必須と考えられた。本研究により、18F-FMISO PETを用いることで経皮的炭酸ガス療法による腫瘍内の低酸素状態改善を生体内で確認可能であることが証明され、炭酸ガス療法の臨床応用に寄与すると考える。