研究課題
若手研究
我々の研究では、肝細胞癌のラットモデルを用いて、異なる塞栓物質による経カテーテル動脈塞栓術を行った2群を作成し、腫瘍内血流や塞栓物質の血行動態を画像・病理学的に評価した。リピオドールと造影剤の懸濁液を動注した群(w/o emulsion group)では、75マイクロのビーズを動注した群に比べて、より高度な虚血性変化が得られ抗腫瘍効果が高いことを統計学的・組織学的に明らかにし、造影USを用いた効果判定の有用性を示した。
radiology
ビーズTACEは、症例個々において血流の再開通(再分布現象)の程度および時期が異なるため従来の評価方法であるCTでは治療効果判定が困難であり、さらに追加治療のタイミングを判断しにくいという問題点がある。造影超音波検査では、腫瘍内部の細かな血流や血管構築を描出でき、他のモダリティでは得られないリアルタイム性の高い情報が得られる。造影超音波検査を用いれば、再分布現象による血流再開通の有無を判定し効果判定法の開発につながる可能性がある。