我々は線維芽細胞増殖因子1(FGF1)の有する放射線障害に対する防護・治療効果に注目しており、特に開発した“改変型FGF1”は、腸管上皮細胞などの正常細胞を防護し、再生を促すが、その一方で一部の癌細胞の浸潤を抑制することが分かっている。本研究では、これらの改変型FGF1の作用機序の解明を目的とし解析を実施した。その結果、癌細胞において改変型FGF1は特定のシグナル経路を長期的に活性化し、結果的に浸潤を抑制することが分かった。これらの効果は野生型FGF1では確認できなかったことから、この効果は改変型FGF1特異的な効果であることが分かった。
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