冠動脈CTAは冠動脈疾患の非侵襲的診断法の中心的役割を担い、本邦において年間42万件以上が施行されている。一方でX線による胸部領域の医療被曝は大きな問題であり、特に若年者の乳腺の被曝は将来の乳癌のリスクになりえるとの報告がある。近年、体幹部CTを中心に造影剤使用による被曝増加が懸念されているが、冠動脈CTAにおいての報告は認められない。本研究結果からは造影剤を使用しない単純CTと比較して、造影剤を使用する造影CT(冠動脈CTA)では臓器線量の増加が示唆された。冠動脈CTAにおいて造影剤(造影効果)と臓器被曝の関係が示されたことにより、撮像・造影方法の最適化、被曝低減につながるものと期待される。
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