本研究は心臓CTを64列CTで行う方法論を確立した上で、糖尿病患者での有用性を示すことを目的とした。1年目から2年目にかけては技術面の確立に主眼を置いた。Helical scanではなく、sequential scanを用いることや逐次近似法を用いるなどの工夫をした結果、7mSvと低被ばくで心臓CTを施行できるようになった。この方法を踏まえて、主に糖尿病患者での心臓CTによる予後評価を行った。背景心筋血流量が低いことが、冠危険因子や虚血の有無と独立した心血管イベントの予後因子であることが示された。このことから、糖尿病患者の予後評価における心臓CTの役割が示された。
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