本研究では放射線治療抵抗性に関わる広義のエピジェネティックな機序の解明を主題としており、今回の研究期間では膵癌細胞株においてRNAメチル化酵素であるMETTL3の発現上昇が抵抗性に関わっていること、またその標的遺伝子としてPLK1が重要な役割をしていることを見出した。さらに、METTL3とPLK1の発現に関して相関がみられること、PLK1阻害剤によりMETTL3の発現程度に関わらず放射線感受性が増加することを見出した。また、術前化学放射線治療を行った膵癌患者においてそれらの発現が治療感受性へ及ぼす影響、加えてdCAS9を用いた部位特異的メチル化阻害によるPLK1発現変動に関しても解析中である。
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