がん治療における抗がん剤、放射線による骨髄抑制は、重要な有害事象である。そのため、詳細な発症機構を明らかにすることで、がん治療における有害事象の軽減を実現することに繋がると考えられる。本研究では、放射線・DXRによる骨髄抑制の発現とTRPM2の関連性が低いとの結論に至った。しかし、検討の過程でDXRが過酸化水素によるTRPM2の活性化を増強させる可能性を見出した。DXRによる有害事象には、心筋症、血管外漏出、手足症候群などが挙げられる。本研究の結果は、DXRの有害事象の発症機構におけるTRPM2の関連を解明するために有用であると考えられる。
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