本研究は乳児突然死で発症したミトコンドリア呼吸鎖異常症の原因遺伝子PNPLA4の分子生物学的機能を明らかとすることを目的とした。まず、CRISPR/Cas9システムを用いてPNPLA4ノックアウトゼブラフィッシュを作製した。続いて、in situハイブリダイゼーション法等によって、生体内でのPNPLA4 mRNA発現分布を確認した。さらに、ノックアウトゼブラフィッシュ脳を試料とした網羅的脂質解析、タンパク質発現解析、RNA-seq解析を実施し、脂質やエネルギー代謝に関連した代謝産物や遺伝子発現の顕著な変動を認めた。以上の研究を通じて、我々はPNPLA4の生体における機能の一側面を明らかとした。
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