本研究の目的は胎外環境への適応過程でのホメオスタシスの調節機構がその後の脳損傷にどうつながるのかを解明することにある.本研究では脳構造の評価マーカーとして光散乱係数を用いて満期相当年齢の脳内の散乱特性が,出生推移やその後の栄養状態に関連していることを明らかにした.また出生後のトランジション不良を生後1週間以内の酸塩基平衡の調節因子を調べた.またLate preterm児における点状白質病変の頻度(10.8%)とそのリスク因子(大きな出生体重と出生時のアシドーシス)を発表した.今後はこれらの研究結果を組み合わせ,散乱係数とMRIとの関連,そしてそれらが長期予後にどう関わるかを明らかにしたい.
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