研究課題/領域番号 |
18K15792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小塚 立蔵 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (10726657)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | B型肝炎 / 肝発癌 / エクソソーム / マイクロRNA |
研究成果の概要 |
B型慢性肝疾患で、肝線維化進展に伴って変化する血清エクソソーム中のmiRNAを解析し、miR-3648、miR-3665、miR-122-5p、miR-3960、miR-4739の5つのmiRNAが同定された。さらに、核酸アナログ(NA)投与例とNA非投与例で肝発癌と相関するmiRNAを解析した。NA非投与例では、22種類のmiRNA発現パターンを組み合わせることで肝発癌予測は可能であったが、NA投与例では、この組み合わせで予測できなかった。B型慢性肝疾患の肝発癌を予測するmiRNA発現パターンはNA投与例とNA非投与例では異なり、NA治療介入が肝発癌メカニズムを変化させる可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
消化器分野
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
B型肝炎ウイルスを完全に排除する治療法はなく、多くのB型慢性肝疾患患者に核酸アナログ(NA)治療が行われ、肝発癌をいかに抑制するかが最大の治療目標となっている。一方、肝線維化進展や肝発癌を予測できるバイオマーカーの開発が望まれるが、血清エクソソーム中のmiRNAは安定性が高く、新たなバイオマーカーとして期待される。本研究では、肝線維化進展や肝発癌と相関する血清エクソソーム中のmiRNAを同定した。また、肝発癌予測に関するmiRNA発現パターンがNA治療の有無により異なり、肝発癌メカニズムがNAで変化することが示され、NAによる肝発癌抑制の機序を明らかにしたことは学術的に意義が高いと考えられる。
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