膵癌は予後不良で化学療法・免疫療法の確立が急務である。免疫チェックポイント阻害薬は膵癌に効果が乏しいとされているが、一部の膵癌では免疫原性があり、その効果が期待できる可能性が示唆されている。今回、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診で得られた膵癌の残余検体から、腫瘍浸潤リンパ球を単離し、免疫チェックポイント分子の発現を解析した。これまでに9例で同意を取得し、末梢血リンパ球とFNA検体からリンパ球を単離した同一症例において、PD-1の発現は末梢血リンパ球に比べて局所リンパ球で高かった。引き続いてEUS-FNA検体の収集し解析を継続することで、免疫原性の強い膵癌を同定する一助になる可能性が示唆された。
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