我々はこれまで、長寿遺伝子サーチュインのひとつ、Sirt7の心血管疾患における役割に着目して研究を行ってきた。 本研究では、血管障害後の新生内膜形成におけるSirt7の役割について検討した。まず、野生型マウスと比較してSirt7ノックアウトマウスでは、ワイヤー障害後の内膜増生が抑制されていた。血管平滑筋細胞を用いたin vitroでの検討から、Sirt7がマイクロRNAを介して細胞周期関連蛋白の発現を制御し、細胞機能を制御している可能性を見出した。 以上の結果から、Sirt7が血管新生内膜の形成に大きく関与していること、今後血管疾患に対する新たな治療選択肢となりうることが示唆された。
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