研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞は日本人の死因第4位の疾患である.血栓溶解療法は適応が狭く, 出血の副作用がある. 脳出血には当然禁忌であり, 治療開始前に必ず画像診断で出血を除外しなければならない. 早期治療が重要な脳梗塞において治療を遅らせている大きな原因の一つとなっている. 先行研究で水素投与は脳梗塞だけでなく頭蓋内出血においても予後改善効果が得られる可能性が示唆されている. 臨床応用されれば, 画像診断を不要にすることで救急車内治療を可能とし, 治療開始までの時間を大幅に短縮することが期待される. 水素は分子量が小さく拡散能力が高いため, 鼻空などからの単純拡散で梗塞巣に到達する可能性がある.
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