HFpEFは今や最も一般的なタイプの心不全となっており、世界中で最も深刻な健康問題の1つとして位置づけられている。HFpEFを対象とした多くの臨床試験が行われてきたが、いまだその予後を改善するための効果的な治療法の確立には至っていない。その様な状況の中、LIPUSが、血管内皮に直接働きかけ、eNOS-NO-cGMP-PKG経路の活性化を介してHFpEFの病態を改善することを動物モデルで実証することができた。HFpEFに対する有効な薬物療法がない中、超音波による物理刺激という従来の薬物療法とは全く異なるアプローチがHFpEFに有効であることが確認されれば、医学的意義は極めて高いものと考えられる。
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