研究課題
若手研究
喘息は本邦では約1000万人が罹患している国民病である。既存の治療薬に抵抗性である重症喘息は成人喘息の50-100万人であり、頻回の増悪、ステロイド治療による副作用のため生活の質が著しく損なわれる。本研究ではアポトーシス認識受容体であるAxlが重症喘息の気道上皮で低発現すること、Axl発現低下により喘息の炎症病態が悪化してしまう可能性がわかった。
呼吸器内科学
重症喘息では、2型炎症を担うTh2細胞、2型自然リンパ球様細胞などがメディエーターとなり、好酸球やマスト細胞を動員してアレルギー性炎症を誘導することがしられているが、気道上皮細胞の機能不全の詳細については明らかにされていなかった。本研究では、喘息の気道において、Axlというアポトーシス認識受容体がこの上皮炎症制御機能に関与することを初めて指摘した。このことは、根本的な治療法がない重症喘息の治療戦略を考える上での、理論的基盤を構築する可能性がある。