特発性肺線維症(IPF)は、肺の不可逆的線維化を特徴とする、予後不良な間質性肺疾患である。しかしながら、IPF患者の臨床経過は多様であり、予測困難である。疾患進行や予後不良を予測できるバイオマーカーがあれば、適切なタイミングで治療方針を決定できる。本研究では、IPF患者の臨床検体を用いた網羅的プロテオーム解析によって疾患進行と関連するバイオマーカーを探索し、複数の候補の中からいくつかの有望な分子を見出した。特に、低温誘導性RNA結合性タンパク(CIRBP)はIPF患者の血液や肺線維化組織で高発現し、疾患進行や生命予後を予測する有望なバイオマーカーであることが独立した二つのコホートで検証された。
|