肺胞微石症には有効な治療法がなく、これまで我々は動物モデルを用いて治療法の検討を進めており、今回、低リン食治療に加えてリン酸吸着剤を用いた治療も同様に有効であることがわかった。 またリピドミクスの手法を用いてモデルマウスを解析したところ、アラキドン酸などエイコサノイドとCOX-2が著明に上昇しており、下流シグナルであるPGE2, LXA4などの抗炎症性メディエーターの増加を有意に認め、微石形成に伴う肺内の炎症を抑制している可能性が示唆された。これらの結果は肺胞微石症の病態をさらに解明し、病勢を反映する臨床マーカーとしても活用できる可能性が考えられた。
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