我々ヒトの体の中の組織は無数の細胞からできており、隣り合う細胞同士は細胞間接着装置によって接着している。細胞間接着装置のひとつであるタイト結合の主要な構成分子であるクローディンは正常組織には勿論のことがん組織にも発現しているが、その発現パターンは正常とがんとでは異なる。今回、予備実験の結果から27種類あるクローディンの中でもクローディン4に着目し、クローディン4が小細胞肺癌の悪性形質を制御する可能性を検討した。その結果、クローディン4の発現が小細胞肺癌細胞の増殖抑制および転移を促進する上皮間葉転換に関連する分子の発現抑制に関与している可能性が示唆された。
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