マクロファージでのアンジオテンシン変換酵素(ACE)を強発現したマウス(ACE10マウス:マクロファージ機能が亢進したマウス)と野生型(WT)マウスを使用してストレプトゾトシン(STZ)による糖尿病モデルを作製した. ACE10マウスとWTマウスでのSTZによる糖尿病性腎症の進展の違いを検討し,マクロファージ機能の亢進した状況では尿細管でのACE発現を認めていないにも関わらず(尿細管でのACEは糖尿病性腎症の進展に非常に重要な働きをしている)WTマウスと同等の腎障害を認めてい ることが分かった. また,クロドロネートの少量複数回投与によるマウスの長期間にわたるマクロファージの枯渇状態のを試みたが,マウス死亡例が多く用量調節が必要であった. 最終的には1週間に1回のクロドロネート少量投与で数か月のマウス生存を確認できたが,糖尿病性腎症の確認に必要な6か月間の生存例を継続的に作成することが困難であった. そのために培養細胞による検討へ切り替えて検討を行っている.
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