毛乳頭細胞の培養方法は確立されておらず、移植するのに十分な毛包誘導能を維持した毛乳頭細胞を培養することが難しいため、毛包再生治療は現存する毛包を株分けして行う植毛が行われている。しかし、脱毛範囲の広い患者では、十分量の毛髪を採取することが困難であり、代替治療の開発が求められている。本研究で樹立した毛乳頭細胞は毛包誘導能と増殖能を維持しており、今後、患者から毛乳頭細胞を採取し、培養増殖させることで自家移植に貢献出来る。更に遺伝子導入した細胞は、高い毛包誘導脳を有しており、今後、毛包再生のメカニズムの研究や薬剤スクリーニングなどにも生かせることが期待出来る。
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