本研究ではTCHHL1の表皮内局在を中心とした機能解析と皮膚有棘細胞癌の増殖・生存への関与を検討した。まずGFP融合TCHHL1を細胞内で発現させその局在を検討したところ、細胞質内にびまん性に観察され、特定の細胞内小器官との共局在は確認されなかった。またTCHHL1の抑制により皮膚有棘細胞癌株であるHSC-1細胞の増殖は有意に抑制され、その機序としてERK1/2、AKT、STAT3のリン酸化の抑制と、アポトーシス関連分子であるFOXO1、BCL2、BCL2L11の発現の亢進がみられた。以上よりTCHHL1は正常皮膚および皮膚有棘細胞癌の増殖と生存に関与していると考えられた。
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