アトピー性皮膚炎の発症要因の一つに皮膚バリアの弱さがあり、新生時期からの皮膚バリアを補うことは、アトピー性皮膚炎発症予防のための新たな戦略となりうる可能性があるが、アトピー性皮膚炎を発症する児は発症しない新生児と比較して、皮膚バリア機能と関与する角層内因子で実際に何が不足しているのかは明らかとなっていない。新生児期から継続的にラマン分光計を用いて角層内因子を計測することで、アトピー性皮膚炎発症およびアレルギー疾患の予後の予測因子の発見が期待できる。将来的には、アトピー性皮膚炎発症群の角層内に不足する因子を新生時期から補うことが、新たなアトピー疾患予防戦略となる可能性があり、社会的意義が大きい。
|