AMPD1というAMPをIMPに変換し、NH3を産生する経路を触媒するプリン分解経路の酵素が正常形質細胞と多発性骨髄腫細胞に特異的に発現することをオンライン遺伝子発現データベースと患者由来検体を用いて見出した。AMPD1阻害が多発性骨髄腫に対する新たな治療法になりうるかを検討したところ、AMPD1阻害剤が骨髄腫細胞に対して増殖抑制効果と細胞死を認めた。AMPD1阻害剤は同時に正常リンパ球への障害は認められず、骨髄腫細胞特異的に作用することが明らかになった。既存のAMPD1阻害剤の構造をもとに類似体の合成を行ったところ、既存のもの以上の抗骨髄腫活性を有する化合物を複数同定した。
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