研究課題
若手研究
本研究ではわれわれが独自の視床下部神経核マイクロダイセクション法とRNA-Seqによる網羅的遺伝子発現解析により同定したSerpinA3分子が肥満症病態におけるレプチン抵抗性の発症に及ぼす影響とそのメカニズムを解析した。本研究によりSerpinA3が弓状核のPOMCニューロン特異的に発現し、高脂肪食により発現誘導されることでニューロンにおけるレプチン応答性の障害やマイクログリアの活性化を惹起すること、個体レベルでレプチン作用障害をもたらすことを明らかにした。
内分泌代謝内科学
肥満症は糖尿病や脂質異常症はもとより数多くの代謝合併症の上流因子であることから、その新たな治療戦略の提唱は社会医学的、医療経済学的にも大きなインパクトを有する。本研究の成果として、肥満症発症の原因となりうる視床下部の新たな分子メカニズムを発見することができたことから、医学・医療はもとより、わが国の科学技術文化の発展に幅広い影響を与えるものと考える。