研究課題
若手研究
福岡県久山町における剖検例の成績を用いて、生前に75g経口糖負荷試験により評価された耐糖能レベル及び糖代謝指標とβ細胞量の関連について検討した。生前の耐糖能レベルは正常耐糖能(40名)、境界型(空腹時血糖異常または耐糖能異常、31名)、糖尿病(32名)に分類した。β細胞量の指標として評価したβ細胞面積は正常耐糖能、境界型、糖尿病となるに従って段階的に減少し、糖代謝指標と関連していた。
糖尿病
近年1型、2型糖尿病ではともに膵β細胞量が減少していることが報告され、β細胞の障害が糖尿病に共通した病態であることが強く示唆されている。しかしながら、日本人における糖代謝関連因子とβ細胞量との関係は十分に明らかでない。本検討での耐糖能の悪化に伴うβ細胞量の段階的な減少を示した結果は、2型糖尿病の発症前段階からβ細胞量を維持する治療戦略の重要性を示唆する。