• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 研究成果報告書

乳がんの免疫チェックポイント活性化に関わる脂肪酸の同定とその分子機構の解明

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 18K16254
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
研究機関京都大学

研究代表者

川島 雅央  京都大学, 医学研究科, 助教 (80766676)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード脂肪酸 / 免疫チェックポイント / 乳癌 / 温度 / 代謝 / 低酸素 / ストレス応答 / 放射線治療
研究成果の概要

本研究では、乳がん臨床検体の解析で明らかになった、乳がん組織中の脂肪酸代謝と腫瘍免疫活性の強い相関の背景にある分子機構の探索を行った。結果、乳がん細胞において脂肪酸結合タンパクFABP7の発現が1)免疫チェックポイントの制御分子 PD-L1の発現を制御すること、2)単細胞からの増殖能を強く規定すること、3) 放射線照射や低酸素などの酸化ストレス耐性に関与すること、4)細胞の熱産生と温度調節に関与することが明らかになった。FABP7と腫瘍免疫活性は単純な1対1の相関関係ではなく、FABP7がストレス応答や熱代謝など多彩な生理機能に影響を与えることで腫瘍免疫の調節を行っていることが示唆された。

自由記述の分野

臨床腫瘍学

研究成果の学術的意義や社会的意義

FABP7が乳がん細胞の免疫反応、増殖能、幹細胞性、ストレス耐性、細胞温度など様々な機能を直接的あるいは間接的に制御していることが示唆された。特に、FABP7によるPD-L1の発現制御や温度制御との関連はこれまでに既報がない重要な発見であった。本研究で得られた知見を、今後乳がんの免疫療法の進歩にどのように繋げていくかについてはさらなる注意深い検証が必要であるが、乳がんの生物学に「温度と免疫と脂肪酸」という全く新しい概念を提示できたことは本研究の貴重な成果であると考えられた。

URL: 

公開日: 2023-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi