研究課題
若手研究
我々は、ラット小型肝細胞の親細胞に相当する前駆細胞が、Laminin(LN)111 上で自己複製能と肝細胞としての基本機能を維持しながら継代培養可能であることを解明し報告した。今回の検討から、より肝細胞の機能が高い細胞を選択的に培養できる可能性が示された。また、骨髄間葉系細胞が分泌する細胞外小胞(Extracellular vesicles;EVs)に含まれる miR-146a-5p がレシピエントに元々存在する肝前駆細胞を活性化させ、肝再生を促進するという肝再生メカニズムを報告した。
医歯薬学 消化器外科学
肝再生医療は国内外において開始されているものの、実臨床においては満足いく成果が出ていないのが現状である。ドナー細胞のハンドリングが非常に困難で、増殖能と高次機能の双方を兼ね備える細胞は、研究協力者の研究室で取り扱っている小型肝細胞のみである。今後はより濃密に増殖能の高い肝駆細胞を選択的に増殖させ、効率よく細胞を供給し、薬剤スクリーニングや再生治療に使用可能なドナー細胞の純化法に応用し、安定した肝細胞供給法の開発を目指す。