本研究は膵臓癌を早期に発見するため、細胞膜の糖鎖をターゲットにした新規診断法の開発が目的である。我々が特定した膵癌細胞に反応するrBC2LCNレクチンを用いたサンドイッチELISAにて、膵臓癌患者血清が健常者血清より高いシグナルを検出できることを証明した。更に特異性を上げる為、患者血清よりrBC2LCNレクチン陽性糖タンパク質を抽出し、質量分析にて浮上した候補タンパクの中から、患者血清中に特異的な糖タンパクAの同定に成功した。rBC2LCNレクチンとタンパクAに対する抗体によるサンドイッチアッセイ系では、既知のCA19-9より高い検出感度を確認し、更なる大規模試験に向け準備中である。
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