難治性スキルス胃癌に対して、癌細胞の膜タンパクよりも更に最外層に無数に表出している糖鎖を標的とした新規治療の開発を目的に研究を開始した。まず、スキルス胃癌に特異的な糖鎖発現を解析するために、スキルス胃癌由来と非スキルス胃癌由来の細胞株を用いてレクチンマイクロアレイによる網羅的探索を行い19種類の候補レクチンを選別した。 その中で、スキルス胃癌で有意に結合性の高いBPLレクチンを用いて臨床スキルス胃癌検体との結合性が高いことを確認したが、血液凝集検査でO型血液を除いて血液凝集を認めたため,生体への投与はO型以外では不可能であることが判明し、現在は別のrBC2-LCNによる治療開発を進めている。
|