本研究ではマウス大腸癌細胞株であるCT26細胞を用いて腹膜播種に癌由来エクソソームが及ぼす影響について検討を行った。CT26細胞株からエクソソームを超遠心法にて回収した。エクソソームが血行性転移に関する既報の論文を参考にエクソソームの投与を3週間で行うと、エクソソームの投与により腹膜播種の形成が阻害された。ヌードマウスでも同様であったことから、癌細胞由来エクソソームは腹腔内投与を行うことにより、腹膜播種の形成に抑制的な影響が考えられた。エクソソームのみの腹腔内投与後の組織学的検討で腹膜の線維化、血管新生の増加などは認めず、腹腔内における線維化などに対し強い影響を及ぼさない可能性が示唆された。
|