現在、治療困難な胃癌腹膜播種の病態を解明し、癌細胞周囲の癌関連線維芽細胞が腫瘍の生着や増大に大きく関わっていることがわかった。さらに癌関連線維芽細胞においては、癌抑制遺伝子であるp53が機能異常を起こしていることにより、癌細胞を助ける働きをしている可能性が考えられた。 p53を搭載した腫瘍溶解ウイルスであるOBP-702は、癌細胞のみならず癌関連線維芽細胞にも作用して、効果を発揮し、強力な腹膜播種抑制効果があることがわかった。このことにより、OBP-702を用いた腹腔内治療は、胃癌腹膜播種に対する新しい有用な治療法となる可能性がある。
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