高齢社会の進行に伴い、弁異所性石灰化による大動脈弁狭窄症(AVS)患者が増加しているが、弁異所性石灰化の原因細胞やその石灰化の進行を抑制する薬物療法の確立が急務である。我々はAVS患者より単離した大動脈弁間質細胞(HAVICs)の性状解析を行なった。その結果、これらのHAVICsが全て細胞表面マーカーCD73/90/105陽性及びCD45陰性を示した。さらにCD34陽性細胞が陰性細胞へ形質転換して石灰化能を獲得する。また、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR2)陽性を示し、内皮間葉移行が弁異所性石灰化に関与することを見出した。その後、黄連解毒湯は弁異所性石灰化の進行を抑制することを確認した。
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