大動脈弁狭窄症 (AS)に対して大動脈弁置換術 (AVR)を行う対象の血液検体で、蛋白質発現を制御するマイクロRNAを1年後まで解析した。ヒトが保有するマイクロRNAは数千種類あり、経過中に変化すものをプロファイリングした。検出されたマイクロRNA-Xに対して経時変化を確認すると、半年後から術前より優位に増加していた。細胞に対する作用機序までは解明できなかったが、少なくとも対象マイクロRNA-Xは血管平滑筋細胞の石灰化を抑制しており、今後はマイクロRNA-Xとエクソソームとの関連を調査する。 ASに対してAVRを行うことで、循環の改善だけでなく石灰化の進行も抑えられる可能性が示唆された。
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