多能性幹細胞であるES細胞を利用し、ES細胞由来の肺を肺欠損マウスモデル内において作成した。多能性幹細胞は多くの研究に用いられているが、実質臓器の作成に関してはまだ確立していない面もある。特に肺は構成する細胞の種類が多いため作成は難しいとされていたが、今回の研究を介して作成可能なことが証明された。本研究を土台として今後はiPS細胞を用いた肺作製や異種間での肺作製が期待される。特に異種間での肺作製が可能となった場合、移植手術に耐えうる臓器作出に糸口が見えてくる。結果的に移植用臓器作出が可能となり、移植医療におけるドナー不足解消に寄与する。本研究はその基礎として必要不可欠な研究となった。
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