オフセット鎮痛(OA)とは、温度刺激をわずかに増減させた際に痛み感覚が予想されるよりも大幅に変化する事を指す。OAには下行性疼痛抑制系の関与などが示唆されてきたが、その機序は十分に解明されていない。温痛覚計(UDH-300)を用いて様々な熱刺激シーケンスを与えながら、ラット脊髄後角より細胞外記録を行った。初期温度を43~49℃、上昇幅を1~3℃、刺激時間を5~20秒と変化させるも、オフセット現象の記録が出来なかった。その原因として、機器が発生する電気的ノイズが大きすぎる事が判明した。機器の内部回路の詳細な見直しやプローベ修理などを行ったがノイズは除去できず、当初の研究目的を果たせなかった。
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