LPSを高容量投与することで生存率50%の敗血症モデルマウスを作成し下記を明らかにした。1. 敗血症モデルマウスのおける代謝動態を関節熱量測定、体温測定、血液検査にて評価した。LPS投与マウスではLPS投与後に高度の低体温、低血糖を呈し、それに伴い酸素消費量、二酸化炭素排泄量の低下を認めた。2. 敗血症モデルマウスにおいて、白色脂肪(皮下脂肪)、褐色脂肪におけるオートファジー活性を、LC-3Ⅱ、p62、Ruiconを用いて評価した。LPS投与後、1、3、6、24時間後に脂肪組織を摘出しwestern blotにて上記タンパク質量を評価した。時間とともにLC-3Ⅱの増加を認めたが、p62の蓄積を伴うことや阻害薬を用いたAutophagy flux assayからオートファジーが阻害されているためLC-3Ⅱの蓄積によるものと考えられた。3. 敗血症モデルマウスにおける脂肪組織の形態学的変化を明らかにした。LPS投与にて脂肪滴の縮小を認めた。4. オートファジーの阻害薬であるクロロキンが敗血症モデルマウスに与える影響を評価した。 LPS投与、敗血症モデルマウスにおいてクロロキン投与の有無は死亡率との関連は認めなかった。一方クロロキン投与にて脂肪滴の縮小は阻害されることが組織の評価で示された。 LPS投与による敗血症モデルマウスにおいて脂肪組織ではオートファジーが阻害されているという知見が得られた。
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