ARDSは重篤な呼吸不全をきたし、死亡率は最大40%にもいたる致死的な疾患である。その詳細なメカニズムは明らかになっておらず特異的治療はない。我々は次世代シークエンサーを用いて下気道細菌叢を解明し、炎症や予後との関連を明らかにすることを目的とした。 本研究より、三つの結果を得た。第一に、肺胞洗浄液中の細菌数は肺胞障害のないコントロール患者と比較して、ARDS患者で増加していた。第二に、ARDS患者の中で病院死亡した患者群では細菌多様性が有意に低下していた。第三に、4菌種のバランスはARDS患者の院内死亡に関連していた。これらはARDS患者の下気道細菌叢が病態形成に関与する可能性を明らかにした。
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