針なし注射による薬液投与の問題点として,ウェットショットと呼ばれる,薬液が皮内に入らず薬液が皮膚上で液滴として残ってしまう現象がある.本研究では,高齢者や静止させた状態での注射が困難な乳幼児や小児などの対象においても,確実に薬液を投与可能な針なし注射器装置の開発を行った. 吸引式針なし注射安定装置は3Dプリンターを用いて印刷し,人間の皮膚の硬度に似せて作製した皮膚モデルを用いて注射安定装置実験及び評価を行った. 注射器の傾き角を変化させ,ウェットショットの発生率を調査した結果,押し込み深さ0mmのとき,吸盤径20mm~30mmの場合に影響をウェットショット防止が期待できることが明らかとなった.
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