研究課題
若手研究
焦点性てんかん患者の脳波において、マルチスケールエントロピー法を適用し、非発作期におけるガンマ波規則性の髙さが、きわめて高い感度と特異度を有する発作起始部のバイオマーカーとなることが示された。なお、ガンマ波規則性と病理学的変化との関連の解析の結果、ガンマ波規則性の高さと病理学的に示されたてんかん原性の強さとに正の相関が示され、ガンマ波規則性の高さは信頼できるてんかん原性マーカーとなると考えられた。
脳神経外科
本研究では、非発作期における背景脳波のたった数十秒間を解析するだけで、感度と特異度の高いてんかん病変部検出が可能であることが示された。また、通常の施設・脳波計という環境でも十分測定・解析可能であるという汎用性を有している。さらに将来的には、脳波計のボタンを一つ押すだけで、自動的にてんかん病変部が可視化されるようなソリューションを目指している。本研究は、安全で確実な低侵襲てんかん外科治療の実現のために急務であり、てんかん患者の機能予後改善に大きく寄与できるものである。